「老後が不安」
この言葉、もう何年も心のどこかにありませんか。
内閣府の調査では、高齢者の約7割が「今の生活に満足している」と答えています。
お金が十分ある人だけではありません。
一方で、家計にゆとりがない層では満足度が大きく下がります。
そして約25%の世帯は、公的年金だけが収入です。
ここから見えるのは、
金額そのものよりも「見通し」が安心感をつくる
という事実。
だから今日は、漠然とした不安を「数字」に変えていきます。
氷河期世代の不安が強い、本当の理由
氷河期世代の8割以上が老後に不安を感じています。
理由は
・蓄えが十分でない
・年金が少なそう
非正規期間、転職、賃金停滞。
「平均通り」ではなかった人が多い世代です。
だからこそ、平均額ではなく、自分の数字で考えることが必要になります。
老後資金の不足額はこうして出す【全体像】
計算式はシンプルです。
(老後の支出 − 老後の収入)× 12ヶ月 × 老後年数
大切なのは、この中身を丁寧に決めること。順番にいきましょう。
ステップ1|老後の支出を「自分仕様」で見積もる
総務省の家計調査では、
・夫婦無職世帯:約22〜25万円/月
・単身世帯:約14〜16万円/月
が目安です。
でもこれは平均。本当に重要なのはここからです。
見直すべき3つ
・住居費
・医療・介護予備費(月1.5〜2万円)
・ゆとり費(旅行・趣味など)
特に住居費は決定的です。
【比較表】持ち家と賃貸で2,000万円以上差が出る現実
高齢夫婦無職世帯の平均住居費は約1.5万円。持ち家が多いからです。賃貸だと5〜8万円の上乗せになります。
月6万円差の場合
| 項目 | 持ち家 | 賃貸 |
|---|---|---|
| 月住居費 | 約1.5万円 | 約7.5万円 |
| 差額 | – | 月6万円 |
| 30年間の差 | – | 約2,160万円 |
6万円 × 12ヶ月 × 30年 = 2,160万円。
住まいだけで、老後設計は大きく変わります。
ステップ2|年金は「額面」ではなく「手取り」で考える
ここは注意点です。
年金が月20万円あっても、そのまま20万円使えるわけではありません。
・国民健康保険料
・介護保険料
・住民税
が差し引かれます。
大切なのは、「振り込まれる実際の金額」で計算すること。
基礎年金の満額は月約6.8万円。厚生年金は加入年数と年収次第。
でも氷河期世代は個人差が大きい。
必ず「ねんきん定期便」で確認しましょう。
ステップ3|95歳まで生きる前提で不足額を出す
老後を65歳から95歳までの30年間と仮定します。
例:
・支出:月25万円
・年金手取り:月20万円
→ 月5万円不足
5万円 × 12ヶ月 × 30年 = 1,800万円
これが「今の前提」での不足額。
でも、ここで一度立ち止まって考えましょう。
健康寿命というもう一つの現実
日本の健康寿命は
・男性:約72歳
・女性:約75歳
平均寿命より10年以上短い。
つまり、
65〜75歳前後は比較的元気に動ける期間
その後は医療・介護リスクが高まる期間
ここから見えてくるのは、
✔ 元気なうちにやりたいことにお金を使う
✔ 後半は医療・介護に備える
という設計。
「とにかく我慢」ではなく、「使う時期と守る時期を分ける」。これが現実的な老後設計です。
ステップ4|インフレを織り込むという防御
物価が年1〜2%上がると、20年後のお金の価値は2〜3割下がります。
今の1,800万円は、将来は同じ価値ではありません。
だから、
・現金だけで持つのか
・一部を運用に回すのか
という視点が必要になります。
これは攻めではなく、防御です。
ステップ5|不足額は「固定」ではない
不足額は未来の確定値ではありません。
変えられる数字
| 行動 | 改善効果(概算) |
|---|---|
| 70歳まで働く | 約1,000万円改善 |
| 月3万円固定費削減 | 約1,080万円改善 |
| 健康維持 | 医療費数百万円差 |
数字は、行動で変えられます。
では、結局どうやって計算するのか?
やることは、これだけです。
① 老後の毎月の支出を出す
② 年金の「手取り」月額を確認する
③ その差額を出す
④ 95歳までの年数をかける
計算式はこれです。
(毎月の支出 − 年金手取り)× 12 × 老後年数
たとえば、
支出:25万円
年金手取り:20万円
不足:5万円
5万円 × 12ヶ月 × 30年 = 1,800万円
これが、あなたの「今の前提での不足額」です。
あとは、
・働く年数を延ばす
・固定費を下げる
・一部を運用する
このどれで埋めるかを考えるだけ。
難しいのは計算ではなく、
「直視すること」です。
でも、一度数字にしてしまえば、不安は「対策可能な問題」に変わります。
不足額を見るのは怖い。
でも、
見ない不安は膨らみ続ける。
見た不安は、対策できる。
計算することは、自分の人生をコントロール可能に戻す行為です。
氷河期世代は、平均通りの道を歩けなかった世代。
だからこそ、平均ではなく、自分の数字で設計する。
それが、老後不安を減らす最初の一歩です。



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