老後のことを考えると、まず不安になるのはお金です。
でも、さまざまな調査を見ていくと、
老後の満足度や幸福感を決めているのは、お金だけではないことがわかっています。
幸福感に大きく影響している見落とされがちな不安があります。
それが「つながり」です。
年齢を重ねたとき、人との関わりが少ない状態は、
想像以上に心と体に影響を与えることがわかっています。
そしてこの問題は、私たち氷河期世代にとって、特に意識しておきたいことです。
氷河期世代は、なぜ孤立しやすいのか
内閣府の調査では、40代〜50代のひきこもり状態の人の中に、就職氷河期世代が多く含まれていることが示されています。
さらに、未婚率の高さや非正規雇用の多さも、この世代の特徴です。
つまり、
家族を持たない人が多い
職場以外の人間関係が少ない人が多い
という背景があります。
「家族がいるから大丈夫」という前提が、崩れやすい世代なんです。
だからこそ、家族以外の居場所がとても大切になってきます。
「友達は1人でいい」は本当?幸福度との意外な関係
「親友が1人いれば十分」
そう思っていませんか?
内閣府の調査では、親しい友人がいない人の約3割が幸福感が低いと答えています。
一方で、親しい友人が多い人で幸福感が低い人は、ほんの数%しかいません。
ここで大事なのは、「親友の深さ」よりも、交流の数や頻度。
たまに話す人、顔を合わせる人、挨拶する人。
そういう関係がいくつかあるだけで、幸福度は大きく変わることがわかっています。
趣味よりも「役割」が心を守ってくれる
老後は「趣味を見つけましょう」とよく言われますよね。
でも研究では、ただ楽しむ趣味よりも、
誰かに必要とされる役割がある活動のほうが、心の健康に大きな効果があるとされています。
地域活動やボランティアに参加している人は、
参加していない人に比べて、抑うつ状態になるリスクが約0.7倍に下がるというデータもあります。
「楽しむ」よりも
「ちょっと頼られる」ことのほうが、実は心を支えてくれます。
持ち家じゃない・独身だからこそ、つながりが必要な理由
国土交通省の調査では、集合住宅や賃貸に住んでいる人ほど、地域活動への参加率が低い傾向が示されています。
特に単身の賃貸住まいの人は、災害時や緊急時の助け合いの輪から外れやすいことも指摘されています。
「家を買っていないから地域に入りづらい」
「独身だから顔を出しにくい」
そう感じている人ほど、実はつながりの恩恵が大きい立場にいます。
人付き合いが苦手でも大丈夫な「弱いつながり」という考え方
社会学では「弱いつながり(Weak Ties)」という言葉があります。
親友のような深い関係ではなく、
カフェで顔を合わせる人
図書館でよく見る人
挨拶だけ交わす人
こうした関係が多い人ほど、幸福度が高いことが知られています。
コミュニケーション能力は、いりません。
挨拶や世間話だけで、十分な効果があります。
いきなり地域はハードルが高い人へ|オンラインという入口
総務省の調査では、インターネットを活用している人ほど、孤独感が10ポイント以上低いという結果があります。
特に私たち世代は、デジタルとの相性が良い世代。
SNS、趣味の掲示板、オンラインコミュニティ。
まずはそこから人との接点を持つだけでも、孤立感は大きく変わります。
リアルな場所に行く前の、練習の場としてとても有効です。
居場所は1ついらない。3つあると心が安定する
JAGESの研究では、所属するグループが3つ以上ある人は、
どこにも所属していない人に比べて、抑うつ傾向のリスクが半分になると示されています。
完璧な居場所を1つ探す必要はありません。
趣味の場
地域の場
オンラインの場
このくらいの「細いつながり」が、心の安全装置になります。
男性ほどハマる「作業型コミュニティ」という選択
調査では、男性は「交流そのもの」を目的にした場に参加しづらい傾向があります。
でも、
料理教室
DIY講座
修理ボランティア
など、作業が目的の場だと参加率も継続率も大きく上がります。
話すことが目的ではなく、手を動かすことが、結果的につながりになります。
どこに行けばいいか分からない人が、最初に行く場所
実は、多くの自治体が「通いの場」と呼ばれるサロンやカフェを用意しています。
厚生労働省の調査では、こうした場に参加している高齢者は、
要介護認定を受ける確率が約3割低いことが分かっています。
最初の相談先は、
地域包括支援センターやシルバー人材センター
ここに行くだけで、地域との接点が広がります。
今日からできる、つながりの小さな一歩
大きなことをする必要はありません。
コンビニで「ありがとう」と言う
行きつけの店をつくる
オンラインで趣味の話をする
それだけで、もう立派な「つながり作り」です。



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